3分でわかる「動脈硬化とは?」

「動脈硬化って聞いたことあるけど、よく分からない」
「四字熟語みたいで何だか難しそう」
そんな皆さんに、動脈硬化の基礎知識をわかりやすくご紹介します。

そもそも動脈硬化ってなに?

老化や余分なコレステロールのため、動脈が硬く、狭く、もろくなる病気です

健康で若々しい血管は、弾力があり、ゴムのようにしなやかです。しかし、肌や内臓と同じように、血管も老化し、硬くもろい状態に変わっていきます。人によって程度は違いますが、年齢を重ねるに従って動脈硬化は進行します。

ところが、加齢以外にも、血液中で増えすぎた悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が原因で動脈硬化が進行してしまうケースの増加が、現代の日本では問題になっています。

悪玉コレステロールは、血管の壁に入り込むという、やっかいな性質を持っています。コレステロールが蓄積すると血管の壁がどんどん分厚くなり、弾力性を失います。放っておくと、コブ(プラーク)ができるなどして、血管の内側が狭くなり、どんどん血液が流れにくくなってきます。

①正常な血管
②コレステロールが蓄積して、血管の内側にコブ(プラーク)ができた状態
③プラークが破裂して、血栓ができ、血管を塞いだ状態

実は、動脈が硬くなるだけなら、大きな問題はありません。しかし、コレステロールでできたプラークが何かの刺激で破れると、傷を修復するため、血小板でかさぶたが作られます。これが血栓と呼ばれるもので、血流が完全に妨げられると、その先の組織に酸素や栄養が行き届かなくなります。

動脈硬化は、体中どの動脈でも起こり、特に、冠動脈、頸動脈、脳動脈など、重要な血管の場合は大変!脳梗塞や心筋梗塞などのような重篤な病気につながることもあります。詳しくは下記の動脈硬化はこんなにコワイ!をご覧ください。

どうして動脈硬化になるの?

もう少し、詳しく動脈硬化のメカニズムを見ていきましょう。

血中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)は、血管の壁に入り込みます。これを排除しようと、今度は白血球の仲間が血管の中に入り込み、悪玉コレステロールを食べた後に死んでしまいます。その残骸や残ったコレステロールが、プラークと呼ばれるコブのようなかたまりを作ります。これが、動脈硬化の直接的な原因です。

間接的に動脈硬化を引き起こす危険因子がたくさんある!

悪玉コレステロールの増加は動脈硬化の大きな原因。しかし、悪玉コレステロールに好ましくない影響をおよぼす、間接的な危険因子がたくさん存在します。

善玉コレステロールの減少
血管にへばりついたコレステロールをはがしてくれるのが、善玉コレステロール(HDLコレステロール)です。善玉が減ると悪玉のはたらきが活発になり、動脈硬化を引き起こします。

中性脂肪の増加
健康診断で問題になる中性脂肪は、それ自体が動脈硬化を進めることはありませんが、悪玉コレステロールを小型化します。小さくなった分、血管の壁に入りやすくなるのです。

高血圧
血圧が上昇すると、血液の圧力で血管がもろくなります。悪玉コレステロールを、壁から吸収しやすくなります。

肥満
内臓脂肪が多くなると、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪が増加し、善玉コレステロールが減少することがわかっています。

高血糖・糖尿病
血糖値が高い状態では、血管が動脈硬化を防ごうとするはたらきが失われます。また悪玉コレステロールが酸化することで、動脈硬化を進行させます。

喫煙
タバコを吸ったからといって、悪玉コレステロールが増えることはありませんが、血管に入り込みやすくなります。また、善玉コレステロールが減ってしまいます。

生まれつきコレステロールが高い人もいる

また、生活習慣に関係なく、生まれつきコレステロール値の高い人がいます。遺伝を原因とする「家族性高コレステロール血症」(Familial Hypercholesterolemia: 通称FH)という病気です。有病率は、日本人の200~500人に1人と言われていますが、発見されにくい病です。 しかし、子どもの時からLDLコレステロールが高値のため、早くから動脈硬化が進行しやすく、30代・40代で心筋梗塞や狭心症を発症する危険もあり、問題になっています。

喫煙や高血圧、糖尿病、肥満などがあると、心筋梗塞や狭心症、脳卒中を発症する危険が、さらに高まります。 FHは早期発見・早期治療が重要です。最近では、有効な薬が開発されており、生活習慣の改善と薬で心筋梗塞などの発症を抑えることができます。

動脈硬化はこんなにコワイ!

動脈硬化は、「サイレントキラー」の異名を持つ恐ろしい病気です。はじめのうちは、痛みや不快感など、自覚症状はありませんが、気づかぬうちにさらに重篤な病気を引き起こします。

動脈硬化が原因となる病気

脳梗塞

脳内で動脈硬化が起こると、血管が詰まり、組織に酸素や栄養が行き届かず、神経細胞が死んでしまうことがあります。これが、脳梗塞です。意識や身体に障がいを残すだけでなく、最悪の場合は寝たきりになったり、死に至ることもある恐ろしい病気です。

脳梗塞

狭心症・心筋梗塞


心臓を養う冠動脈が動脈硬化を起こし、血の流れが悪くなると、心臓の筋肉が栄養不足に陥ります。その結果、胸が苦しくなったり、痛くなるのが狭心症です。
さらに、動脈硬化のプラークが破れ、血栓によって血流が止まり、筋肉の組織が死んでしまうのが心筋梗塞。心筋梗塞は突然発症し、分単位の早期治療が生死を分けます。

狭心症・心筋梗塞

下半身や腎臓の病気

「歩くとふくらはぎが痛い→休むと治る」「足先がいつも冷たい・しびれる」などの症状がある方は、「閉塞性動脈硬化症」かもしれません。歩行に障がいが出たり、最悪の場合は脚が壊死してしまうこともあります。動脈硬化によって、下半身に血液が行き届かなくなることが原因です。

また、高血圧が長期間続くと、腎臓を養う動脈にも動脈硬化が起こります。やがて、腎臓のはたらきが悪くなり、全身に影響を及ぼすことがあります。
なお、心臓の拍動が伝わる速さから動脈の硬さを測る「PWV」「CAVI」、血管の内皮の機能を検査する「FMD」といった検査で、動脈硬化の進行を推量できます。動脈硬化が疑われる方は、一度お近くの医療機関で、検査されることをおすすめします。

動脈硬化を予防・改善するには?

悪玉コレステロールは、生活習慣を正すことで減らすことができます。動脈硬化の間接要因になる中性脂肪の増加や高血圧、高血糖なども、多くの場合、生活習慣による病気です。動脈硬化は、日頃のちょっとした注意で、予防・改善することができます。

まずは、食べ過ぎや運動不足を防ぐこと。肥満が悪玉コレステロールのはたらきを助長することは、ご紹介した通りです。
コレステロールは食品によっても含まれる量が異なります。食事のカロリーだけでなく、高コレステロールのメニューになりすぎないよう、注意してください。

コレステロールが多く含まれる食品

たまご・レバー・うなぎ

また、たばこを吸うと、悪玉コレステロールの量は変わりませんが、血管にたまりやすくなります。さらに、善玉コレステロールが減り、動脈硬化が進行します。禁煙は、すぐにできて、非常に有効な生活習慣の改善です。

また、ストレスもコレステロールの増加につながるといわれています。スポーツや趣味で適度に発散して、心の健康を保つ習慣も重要です。

改善したい生活習慣の例

  • タバコを吸っている
  • 野菜が嫌いで、あまり食べない
  • 家族や友人が吸うタバコの副流煙を吸っている
  • インスタント食品や揚げ物を好んで食べる
  • 一週間のうち、1時間も運動をしていない
  • 濃い味が好きでラーメンの汁を残さない
  • 近所へ行くのもクルマやバイクを使うことが多い
  • 朝食を食べず夜にドカ食いする
  • ほぼ毎日、大量の酒を飲む
  • ケーキやチョコレートなど甘いものをつい食べ過ぎる
  • 仕事の時は長時間座りっぱなしだ

まずは、できるところから改善しましょう。詳しくは「タイプ別血管しなやか生活」をご覧ください。