動脈硬化の危険因子

動脈硬化にはさまざまな危険因子があり、
それらがいくつか重なると、進行がさらに早まります。
とくに重要な危険因子と予防・治療のポイントをご紹介します。

高血圧

そもそも「血圧」って何?

血圧が高いと、血管がもろく傷つきやすくなり、動脈硬化を促進させることが知られています。血圧とは、心臓から送り出される血液が全身のすみずみまで流れていく際に、動脈の内側の壁を押す力(圧力)のことです。心臓はポンプのように収縮と弛緩(しかん=ゆるむこと)を繰り返し、血液に圧力を加えて、血管のなかへと送り込んでいます。
心臓が収縮して血液を送り出すときの血圧が収縮期血圧(最高血圧・上の血圧)、心臓がゆるんで送り出した血液が戻ってくるときの血圧が拡張期血圧(最低血圧・下の血圧)です。

血圧は心臓に近い血管ほど高く、手足などの末梢血管ほど低くなります。また、血管がしなやかさ(弾性)を保っていると血圧は上がりにくくなりますが、血管が硬くなり、血液をため込めなくなっていると、上の血圧が上がり、下の血圧が低くなることもあります。これは60歳を超えるころから顕著で、上の血圧と下の血圧の差(脈圧)も大きくなっていく傾向があります。脈圧が大きいと心臓病などのリスクが高いといわれているため、注意が必要です。

どこからが高血圧?

日本高血圧学会では、診察室で測る血圧が140/90㎜Hg以上、家庭で測る血圧が135/85㎜Hg以上を高血圧として、上下両方、またはどちらか一方でも超えていれば、高血圧として治療が必要としています。しかし、高血圧と診断される手前の高値血圧の段階であっても、動脈硬化は進みやすいといわれていますので、血圧が高めだと気づいたら、減塩や運動など、生活習慣の改善を積極的に行うようにしましょう。

高血圧と動脈硬化の負のループ

高血圧になると血管の内壁に常に強いストレスがかかります。慢性的に高い圧を受けているので、血管の内壁は傷つきます。血管は高い圧に順応するために壁が分厚くなり、その結果、血管は柔軟性を失って硬くなり、内腔も狭くなっていきます。柔軟性を失った血管は、とくに内壁が傷つきやすく、その傷口の修復のために、さらに内径が細くなる、または傷口にコレステロールなどが入り込み、粥状(じゅくじょう)動脈硬化と呼ばれる状態を起こします。粥状とはコレステロールが蓄積し、ブヨブヨの状態になり、これが血管の内側に沈着してコブ(プラーク)を作ってしまう状態をいいます。このように高血圧と動脈硬化は表裏一体で、高血圧が徐々に血管を傷めつけ、傷んだ血管のせいでまた血圧が上がるという悪循環が起こります。

高血圧は「サイレントキラー」

高血圧は自覚症状がほとんどないため、気づかないまま動脈硬化が進行して、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中を発症することも珍しくありません。気づかぬうちに重大な疾患を引き起こすことから、欧米では「サイレントキラー(静かなる殺人者)」とも呼ばれています。

こうしたことから、日本高血圧学会では、降圧目標値を、診察室で測る血圧は130/80㎜Hg未満、家庭で測る血圧は125/75㎜Hg未満として、厳格な血圧コントロールを呼びかけています。
一方で、高齢者(75歳以上)は動脈硬化が進んでいるケースが多く、急激に血圧を下げると血流が悪くなり、脳梗塞などを起こすこともあります。降圧目標も少し高めに設定されていますので、徐々に目標値に近づけるようにしましょう。

家庭血圧測定のすすめ

高血圧は自覚症状に乏しく、つい放置してしまいがちですが、自分で見つけることもできます。ふだんから家庭血圧を測定する習慣をつけ、早期発見を心がけましょう。家庭血圧は、白衣高血圧(病院で測ると高いが、家庭で測ると正常)や仮面高血圧(病院で測ると正常だが、家庭で測ると高い)の診断にも役立ちます。とくに、仮面高血圧は、心筋梗塞や脳卒中になるリスクが高く、早く見つけて適切に治療する必要があります。
治療を必要とする高血圧と診断されれば、医師の指示に従って、きちんと降圧薬を服用することが重要です。

高血圧を防ぐ生活習慣

狭心症や心筋梗塞の危険因子として、高コレステロール血症以外にも、高血圧、糖尿病、喫煙、ストレスなどがあります。危険因子が増えるほど、発症の危険も高まりますので、思い当たる人は、生活習慣を改善する、ストレスや不規則な生活を避ける、必要であれば治療を受けるなどして、危険因子を遠ざけるようにしましょう。

脂質異常症

脂質異常症ってどんな病気?

脂質異常症は動脈硬化の危険因子の一つで、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を起こす原因になります。脂質には、コレステロールのほか、中性脂肪(トリグリセライド)、リン脂質、脂肪酸などがあり、いずれも私たちの体の機能を維持するうえで不可欠なものですが、これらが多すぎたり少なすぎたりしても、やはり体に不具合が生じます。

脂質異常症とは、血液中のLDLコレステロール(いわゆる悪玉)や中性脂肪が多すぎたり、HDLコレステロール(いわゆる善玉)が少なすぎたりする状態を指します。以前は「高脂血症」と呼ばれていましたが、HDLコレステロールは低いほうが異常なので、最近は「脂質異常症」と呼ばれることが多くなりました。コレステロールというと、LDLコレステロールばかりが悪者に見られがちですが、中性脂肪が多いとHDLコレステロールが減り、動脈硬化を促進することがわかっています。とくに、LDLコレステロールと中性脂肪が両方高い人は、動脈硬化が早く進むといわれており、健康診断や血液検査の結果をチェックして、異常があれば早めに受診して、適切な治療を受けることが大切です。

脂質異常症の診断基準

日本動脈硬化学会では、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪などの基準値を定めており、どれかひとつでも基準値から外れていると「脂質異常症」と診断されます。
近年では、すべての種類のコレステロールの合計値である総コレステロール値から、HDLコレステロールの値を引いた「Non-HDLコレステロール」の値が、動脈硬化のリスク判定に用いられるようになっています。

脂質異常症の診断基準(空腹時に採血したデータを使います)

 ・LDLコレステロール(悪玉コレステロール)・・・140mg/dL以上
 ・HDLコレステロール(善玉コレステロール)・・・40mg/dL未満
 ・トリグリセライド(中性脂肪)・・・150mg/dL以上
 ・Non-HDLコレステロール*・・・170 mg/dL以上

*Non-HDLコレステロール=総コレステロール-HDLコレステロール
(日本動脈硬化学会『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版』より)

動脈硬化の最大の危険因子は?

動脈硬化の危険因子のなかでも、最大の危険因子はLDLコレステロールです。LDLは、細胞膜やホルモンの原料として使われるコレステロールを、血液に乗って全身に送り届ける役割を果たしています。しかし、食事や体質などによって、LDLコレステロールが増えすぎたり、余分なコレステロールを回収するHDLコレステロールが少なすぎたりすると、コレステロールのバランスが崩れ、血管内にLDLコレステロールが蓄積して、血管を傷つけたり、血管の内側を狭める原因となります。

LDLコレステロールと粥状動脈硬化

血液中にLDLが増えすぎた状態が続くと、活性酸素などの影響を受けて変性LDLという状態になり、これが血管の内皮細胞を傷つけます。するとそのすき間からLDLコレステロールが入り込み、酸化してたまっていきます。一方で、私たちの体には、こうした異物を排除しようとする”掃除屋”(マクロファージ)が存在しています。異物を取り込んだマクロファージはさまざまな因子(サイトカインといいます)を出すことによって炎症反応を起こし、いわば傷があるかのようなサインを出します。こうした反応により、血管内膜にはコレステロールとともに多くの細胞が集まり始め、動脈にふくらみ(プラーク)をつくります。プラークは次第に大きくなり、火山のように噴火します。そして、そこに血液のかたまり(血栓)ができると、動脈が完全に詰まる原因になります。これが心臓の冠動脈で起こると狭心症や心筋梗塞、脳動脈で起こると脳梗塞などの病気を発症します。

コレステロールが高い人は、血管の中にお粥(かゆ)のようなドロドロしたかたまり(粥腫:じゅくしゅ)ができやすく、そこに血液中のカルシウムなども沈着して、血管はさらに硬くもろくなります。これが粥状(じゅくじょう)動脈硬化で、血管内はどんどん狭くなっていきます。

コレステロールを増やさないために

コレステロールともっとも関連があるのは食事です。動物性脂肪(飽和脂肪酸)である牛肉や豚肉、ひき肉などを減らし、背の青い魚(イワシ、アジ、サバなど)中心の食事に変更することがポイントです。それでも、コレステロール値が高ければ、食事に含まれるコレステロール(卵、レバー、小魚、貝類、魚卵など)を減らし、食物繊維(野菜、きのこ、海藻、豆類など)を積極的にとるようにしてください。食事では、トランス脂肪酸にも注意が必要です。ショートニングを使ったケーキやクッキーなどの洋菓子はできるだけ控えましょう。
運動は、直接コレステロールを下げる効果はあまりありませんが、HDLコレステロールを増やす作用が知られています。運動自体が動脈硬化を予防する効果を持っていることもわかっていますので、積極的に身体を動かすことが大切です。
また、タバコはLDLコレステロールを変性させ、HDLコレステロールを減らす作用がありますので、禁煙しましょう。

こんな脂質異常症にご用心

日本人に脂質異常症が増加した背景として、動物性脂肪やコレステロールのとりすぎや運動不足の影響が大きいと考えられています。一方で、生活習慣以外の原因で起こる場合もあり、先天的にLDL受容体のはたらきが悪くなる「家族性高コレステロール血症」という遺伝性の病気のほか、腎臓や肝臓の病気や飲んでいる薬が原因でコレステロール値が高くなることもあり、これを「二次性高コレステロール血症」と呼んでいます。これらは食事療法などでは改善しませんし、なかには、急激に動脈硬化が進んで、若くても心臓病などを引き起こす危険なタイプもあります。健康診断などで脂質異常症が疑われたら、放置せず、きちんと検査を受けて、何が原因なのか調べてもらうことが大切です。

糖尿病

糖尿病とはどんな状態か?

糖尿病とは血糖値が高い状態が続き、血管や血液の状態が悪くなり発症する病気です。ではなぜ、血糖値が高くなるのでしょうか。私たちは生きていくために食事によってエネルギーを得ます。食物はそのままではすぐにエネルギーとはならず、消化作用によりブドウ糖に分解され、全身に運ばれます。このブドウ糖がエネルギー源として体の細胞に取り込まれるためには、膵臓のβ(ベータ)細胞から分泌される「インスリン」というホルモンの存在が不可欠です。
インスリンとブドウ糖のバランスが保たれていれば、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)も一定ですが、何らかの理由により、インスリンの分泌が減少したり、インスリンの効きが悪くなったりすると、血液中のブドウ糖が増えすぎた状態(高血糖状態)になり、その状態が長く続くと糖尿病を発症します。

糖尿病の診断基準

糖尿病かどうかを判断するには、血液検査で血糖値やHbA1c(へモグロビン・エー・ワンシー)を調べます。HbA1cは、当日の食事や運動などの影響を受けやすい血糖値とは異なり、過去1~2ヵ月の血糖値を反映しているといわれ、長期的な血糖コントロールの状態を知る手がかりとなります。
日本糖尿病学会の基準では、初回の検査で、①のいずれかと②に該当すれば糖尿病と診断されます。また、①のいずれかに該当し、別の日に行った検査でも①が認められれば、糖尿病となります。②に該当し、別の日に行った検査で①が認められた場合も、糖尿病と診断されます。

糖尿病の原因となりやすい人

糖尿病には大きく分けて2つのタイプがあります。膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されないタイプを「1型糖尿病」、インスリンは分泌されるものの、量が不足したり、効きが悪いタイプを「2型糖尿病」といい、わが国の糖尿病患者の95%以上は2型糖尿病といわれています。
2型糖尿病は、もともと糖尿病になりやすい遺伝的要因に、食べすぎや運動不足、肥満、ストレスといった生活習慣(環境的要因)が加わって発症すると考えられています。これらの環境的因子は、血糖値を調節するインスリンのはたらきを悪くしてしまうからです。
また、糖尿病の人は高血圧や脂質異常症、肥満といったほかの生活習慣病も合併しやすく、心筋梗塞や脳梗塞を発症するリスクが高いことから、すべての根底にある生活習慣を見直し、改善していくことが重要です。

糖尿病と動脈硬化の関係

「血糖」自体が血管の内壁を傷つけることが知られています。高血糖状態が続くと、糖が血管の内壁に付着し、付着した糖と血管内壁細胞のたんぱく質が化学反応を起こし、「活性酸素」を発生させます。活性酸素はウイルスや細菌を退治する免疫の一部を担う一方で、毒性が強く、増えすぎると、体内の細胞を酸化させ、老化やさまざまな病気の原因となります。
血管内壁で生じた活性酸素は、血管細胞を傷つけますが、その修復のために血小板が集まって血栓が形成され、血管の内径を狭くしてしまいます。これにより、血液の流れが悪くなり、血管は余計な圧力を受けることになって、動脈硬化が進展するのです。
また、高血糖状態にある血液は、いわゆる「どろどろ」状態で、血管の内側に、コレステロールがドロドロしたお粥(かゆ)のような状態で付着する粥状(じゅくじょう)動脈硬化になりやすいといわれています。

全身の血管をむしばむ「血管病」

糖尿病は、初期には自覚症状がほとんどありませんが、高血糖状態をそのまま放置しておくと、全身の血管や神経が障害されて、さまざまな合併症が起こります。よく知られているものとして、失明に至ることもある「糖尿病網膜症」、進行すると血液透析や腎移植の原因となる「糖尿病腎症」、壊疽(えそ)を起こして足や手を切断することもある「糖尿病神経障害」があり、これらは「三大合併症」と呼ばれています。三大合併症は目や腎臓の細い血管や神経が障害されて起こるのに対し、高血糖によって動脈硬化が進むと、心臓や脳、足などの太い血管が詰まりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞、下肢末梢動脈硬化症(Peripheral Artery Disease:PAD)の原因となります。
三大合併症をはじめとする合併症を防ぎ、動脈硬化の進展を遅らせるためには、血糖コントロールを早期に開始することが大切です。動脈硬化は、糖尿病と診断される前の“予備群”の段階から進んでいるといわれていますので、定期的に検査を受け、早期発見・治療を心がけましょう。

糖尿病治療の基本は食事療法と運動療法

糖尿病の治療では、食事療法と運動療法が基本となります。軽い糖尿病なら、食事だけでコントロールできるとさえいわれていますので、食べすぎに注意し、血糖値が上がりやすい糖質(炭水化物、果物、お菓子など)のとりすぎに注意しましょう。
また、運動はインスリンのはたらきをよくするだけでなく、肥満やストレス解消にも効果がありますので、日ごろからこまめに体を動かすようにしましょう。
糖尿病は完治させることができない病気ですが、食事療法・運動療法に加え、薬物療法(飲み薬やインスリン注射など)をうまく組み合わせ、血糖値を良好にコントロールすることで、健康な人と同じように生活することができます。

肥満

肥満と肥満症

肥満とは、からだに過剰に脂肪がたまった状態のことをいいます。肥満は動脈硬化を促進し、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、心臓病・脳卒中を引き起こすほか、脂肪肝などの消化器疾患、睡眠時無呼吸症候群などの呼吸器疾患、腰痛や膝痛(ひざつう)など、さまざまな病気の原因にもなります。
ただ太っている状態は「肥満」ですが、肥満に起因する健康障害があり、医学的に減量を必要とする病態と診断されると、「肥満症」として治療が必要になります。

どれくらい太っていたら肥満?

日本肥満学会では、肥満の判断基準として、BMI(Body Mass Index)という指標を用いています。BMIは、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求められ、BMI25以上が肥満と判定されます。BMIが高いほど、動脈硬化の進展が早まり、ほかの生活習慣病を合併する危険性が高まります。一方で、BMIは低ければ低いほどよいというわけではなく、BMI22~24がもっとも健康的な体重といわれています。

りんご型と洋なし型、危険なのは?

肥満は、脂肪のつきかたによって2つのタイプに大別されます。お尻や太ももなど下半身に脂肪がつく「皮下脂肪型肥満(洋なし型)」と、お腹のなかに脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満(りんご型)」です。

内臓脂肪が多くなると、血液中のLDLコレステロールや中性脂肪が増えて、動脈硬化を促進し、心臓病や脳卒中の原因になることが知られています。また、内臓脂肪が作り出す物質(アディポサイトカイン)は、からだに悪影響を及ぼすばかりか、動脈硬化を抑制するアディポネクチンまで減らしてしまうため、高血圧や糖尿病になりやすくなるといわれています。
内臓脂肪は、たまりやすい一方で減りやすい脂肪でもあります。標準体重まで減量することが難しくても、少しやせるだけで内臓脂肪はかなり減少しますので、諦めずに生活習慣を改善していくことが大切です。

内臓脂肪とメタボリックシンドローム

近年、さまざまな生活習慣病の根底に、内臓脂肪の蓄積があることがわかってきました。このように内臓脂肪によって病気が引き起こされやすくなった状態を「メタボリックシンドローム」と呼びます。
メタボリックシンドロームと診断されるのは、ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性85cm以上、女性90cm以上で、かつ血圧・血糖・脂質の3つのうち、2つ以上が基準値から外れた場合です。

内臓脂肪型肥満があると、インスリンというホルモンのはたらきが悪くなり(インスリン抵抗性)、食後にブドウ糖がうまく処理できなくなって、血糖値が上がります。この状態が続くと、糖尿病をはじめ、高血圧や脂質異常症などの代謝異常をきたし、加速度的に動脈硬化が進展することがわかっています。それぞれが大したことなくても、いくつか重なると心臓病や脳卒中の危険は一気に高まるため、個々の病気の治療はもちろん、その根源となる内臓脂肪を減少させることが重要です。

脂肪のつきにくいからだを目指す

肥満の主な原因は、食べすぎと運動不足です。現代社会においては、食事から摂取するエネルギーが運動で消費するエネルギーを上回っているため、余ったエネルギーが脂肪として蓄えられてしまうのです。内分泌異常などが原因で肥満になることもありますが、そうしたケースは少数派といえるでしょう。
したがって、肥満の予防・解消には、食生活と運動習慣の見直しが重要です。1日3食バランスのよい食事を心がけ、揚げ物や油の多い料理、糖分の多いお菓子などは控えるようにしましょう。間食や夜食、インスタント食品やファストフードもできるだけ避け、野菜の多い低カロリーのメニューを選ぶようにします。一方で、気をつけていただきたいのが、食事を減らすだけのダイエットは、リバウンドしやすく、かえって逆効果だということです。
内臓脂肪を減らすだけでなく、“つきにくい”からだを維持するためには、継続して運動を行う必要があります。1日30分以上、ジョギングやウォーキングを行ったり、家事や通勤中にこまめにからだを動かすようにして、太りにくいからだを作りましょう。