喫煙・その他の生活習慣

過去の質問と回答

電子タバコなら吸っても大丈夫?  
男性 40代
Q. 動脈硬化にタバコはよくないといわれていますが、電子タバコなら大丈夫でしょうか?

A. 最近、煙の出ないタバコが登場し、加熱式の電子タバコも普及してきました。電子タバコは無害だと思って吸っている方も多いと思いますが、従来のタバコと同様にニコチンや発がん性物質を含むさまざまな有害物質が含まれており、安全性は証明されていません。有害物質を体内に取り込んでいるのですから、動脈硬化や発がんのリスクは否定できません。 従来のタバコと変わらず依存性もありますので、禁煙目的で電子タバコを使っても、むしろ成功率は低いという調査結果もあります。また、煙としては見えにくいですが、受動喫煙の影響も指摘されています。電子タバコだから大丈夫ということは決してありませんので、思い切ってすべての”タバコ”を断つことが大切です。

ストレスと動脈硬化は関係あるの?  
男性 50代
Q. 血圧とコレステロールが高めです。主治医の先生からは、「ストレスをためないように」といわれましたが、ストレスはコレステロールとどんな関係があるのですか?

A. ストレスは心身のバランスを崩し、生活習慣病のリスクを高めることが知られています。ストレスを受けると、副腎から副腎皮質ホルモンが大量に分泌されます。このホルモンが、中性脂肪の合成を促進したり、血圧や血糖値を上昇させたりし、動脈硬化の危険性を高めます。ストレス解消には原因を取り除くことがいちばんですが、仕事上や人間関係上の問題など、簡単に原因が解決できないことも多いと思います。ストレスを受けたら、ため込まず、早めに気分をリラックスさせることが大切です。
ストレス解消のために、お酒を飲んだり、甘いものを食べたりするという人も多いと思いますが、お酒やお菓子の過剰摂取は、中性脂肪やLDLコレステロールの上昇を招きますので、おすすめできません。趣味を楽しんだり、体を動かすなど、自分なりの気分転換の方法を見つけるようにしましょう。

タバコは動脈硬化の原因になるの?  
女性 40代
Q. 健康診断で白血球の値が9,100μLでした。血液中の中性脂肪も281mg/dLと高く、脂質異常症の薬も飲んでいます。タバコを1日1箱吸います。動脈硬化の可能性が高いでしょうか?

A. 白血球が高いのは喫煙の影響が大いにあると思います。喫煙は、動脈硬化の大きな危険因子になります。女性は動脈硬化になりにくいのですが、喫煙により冠動脈疾患は3倍以上、脳卒中は1.5倍発症率が高まり、腹部大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)も4.3倍ときわめてリスクが高くなります。さらに、中性脂肪が高いということを重ね合わせると、動脈硬化になる可能性は通常の女性に比べると高いことははっきりしています。
ただし、40代の女性の動脈硬化の発症率は決して高くないので、4~5倍になったからといっても100人のうち4~5人という程度と考えてください。

生活習慣を改善すれば薬は飲まなくていい?  
男性 40代
Q. 総コレステロール値が252mg/dLあり、「下がらないようなら薬の服用を」と脅されました。薬には何となく抵抗があります。減量や生活習慣の改善で値を下げるのではいけませんか?

A. 生活習慣で改善することがベストです。ただし、もし糖尿病や慢性腎臓病などが合併している場合は別で、服薬する必要があるかもしれません。また、コレステロールが252mg/dLといってもLDLコレステロールの値やHDLコレステロールの値により、考え方が異なります。よしんばお薬を使う場合でも、食生活の改善は基本となりますので、まずは食生活・運動習慣の改善を心がけてください。

ドロドロ血液を改善するには?  
男性 60代
Q. 血がドロドロにならないよう、こまめに水分補給すればよいと聞きましたが本当ですか?

A. こまめに水分補給することはよいことです。水分が不足して脱水状態になると、血液は濃縮して、粘稠(ねんちゅう;粘り気があって濃い状態)になり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因ともなる血栓(血の固まり)が形成しやすくなります。また、脱水が進行すると、血圧は低下し、ショック状態(意識がなくなるなど生命が危うい状態)になることもあります。特に高齢者では脱水に注意しなければなりません。体内の水分が不足すれば、のどが渇くのですが、高齢者では感覚機能が低下しているために、脱水状態にあっても気がつかないでいることがよくあります。この意味でも、こまめに水分補給に注意することはよいことです。
たとえば成人の場合、一日の飲み水は1,500 ml、食品中の水分700 ml、身体内で産生される水分300 mlの計2,500 mlが摂取され、これを尿1,500 ml、皮膚から500 ml、呼気として肺から500 ml、その他の少量を大便などとして、計2,500 mlを排出しています。尿が出ていなくても、一日1,000 mlの水は必要とされていることを知っておいてください。
ちなみに、水分だけでなく、塩分も不足するので、摂取する水分に0.1パーセント程度の食塩を加えることも考えておかなければなりません。スポーツ飲料はこの意味で工夫されている飲料です。

なかなか禁煙ができません…  
男性 60代
Q. 20代からタバコを吸っていて、何度か禁煙を試みましたが、数日すると苦しくなってまた吸ってしまいます。禁煙以外に動脈硬化を防ぐよい方法はないでしょうか。

A. タバコは「百害あって一利なし」です。やはり、禁煙がおすすめです。禁煙できないのは長年の喫煙のために、ニコチンなしではいられない状態、つまり、ニコチン依存症の状態になっているのかもしれません。
この場合にはニコチンガムやニコチンパッチなどを用いたニコチン置換療法を行います。病院でご相談なさってください。あるいは担当医が禁煙外来のある病院に紹介してくださるでしょう。