家族性高コレステロール血症 〈FH〉

遺伝子異常 が原因でLDLコレステロールの値が異常に高くなる病気です。FH(Familial Hypercholesterolemia)と呼ばれることもあります。遺伝がかかわる脂質異常症のうち、日本人に多い病気で、25万人以上の患者がいると推定されています。

家族性高コレステロール血症では、肝臓の細胞表面で血液中のコレステロールを取り込むはたらきをするLDL受容体(LDLレセプター)が遺伝的に正常に機能せず、血液中のLDLコレステロールが増えてしまいます。したがって、子どものころから、LDLコレステロールが高く、動脈硬化を起しやすいことがわかっています。そのため、LDLコレステロールを目標値(100mg/dL)以下にコントロールしなければ、若くして、狭心症や心筋梗塞を起こす危険が高まります。

家族性高コレステロール血症には、両親の両方からコレステロール代謝に異常が起こる遺伝子を受け継いだ「ホモ接合体」タイプと、両親の一方から異常な遺伝子を受け継いだ「ヘテロ接合体」タイプがあります。前者は100万人に1人ときわめてまれですが、後者は500人に1人以上の割合で発症するといわれています。

また、最近は、LDL受容体を壊してしまうタンパクがあることが判明し、そのタンパクのはたらきの強い人は、家族性高コレステロール血症と同様のことを起こすことがわかってきました。その人たちを加えると、家族性高コレステロール血症は200~250人に1人発症するといわれています。

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