コレステロールの合成速度を制御するヒドロキシメチルグリタリル補酵素A (HMG-CoA還元酵素)のはたらきを阻害することによって、血液中のコレステロール値を低下させる薬物の総称で、「HMG-CoA還元酵素阻害薬」とも呼ばれています。
1973年に日本の遠藤章(あきら)らによって、青カビから発見されました。最初のスタチンであるメバスタチン以来、さまざまな種類のスタチン系薬剤が開発され、高コレステロール血症の治療薬として世界各国で使用されています。
近年の大規模臨床試験により、スタチンには脂質異常症患者の心筋梗塞や脳血管障害の発症リスクを低下させる効果があることが明らかにされており、脳梗塞や心筋梗塞後の再発予防にも用いられています。ただ、非常にまれですが、副作用として横絞筋(おうもんきん)が融解(ゆうかい)して血液中に流れ出るという横絞筋融解症が知られています。